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高齢者と接する機会が多い登録ヘルパーは、熱中症に関する知識を身につける必要があります。
なぜなら、高齢者は若者に比べると熱中症になりやすく、合併症などのリスクも高くなるからです。
とはいえ、
「高齢者の熱中症対策ってどうすればいいの?」
という疑問を抱えている方もたくさんいるでしょう。
そこでこの記事では、高齢者が熱中症になりやすい理由と、熱中症対策として効果的な方法について詳しく解説していきます。
では早速、高齢者が熱中症になりやすい理由について詳しく見ていきましょう。
高齢者になると、体温調節機能が低下しますので、暑さを感じにくくなります。
暑さを感じにくくなると、体が「体温を下げなさい」という命令を出さなくなるため、熱中症のリスクが高くなるのです。
高齢者になると、体内で保持できる水分量が減ります。
これに加えて、
「トイレが近くなるのが嫌だ」
「頻繁にトイレに行くのが面倒くさい」
という理由で水分補給を控える高齢者も多いです。
このようなことから、水分不足による熱中症を引き起こしやすくなるのです。
年齢を重ねると、様々な身体機能が低下します。
若いうちは、体内の水分量が少なくなると、脳が「水分補給をしなさい」と命令を出すため、のどの渇きに早い段階で気づけます。
ただ、高齢者はのどの渇きに気づきにくいため、適切なタイミングで水分を摂取できず、熱中症になってしまうことがあるのです。
現代はクーラーやアイスタオルなど、室温や体温を下げるための家電やグッズがたくさんあります。
ただ、高齢者の中には、
「夏は暑いものだ」
「クーラーを使うと電気代が高くなる」
という理由で、暑いと感じていながらも我慢してしまう方もいます。
このような無理、我慢が原因で熱中症になってしまうこともありますので注意しましょう。
では次に、高齢者の熱中症を防止する方法について詳しく解説していきます。
年齢や性別関係なく、熱中症を防止するためには水分補給が大切です。
一定の水分量を維持することによって、熱中症や脱水症状のリスクを軽減できます。
先ほども解説したように、高齢者はのどの渇きを感じにくく、尚且つ水分補給を自ら控えてしまう傾向にありますので、そばで見ている家族や介護者がこまめな水分補給を促す必要があるのです。
ここで注意していただきたいのが、冷たい水を一気に飲んではいけないということです。
中には、暑いという理由で冷たい水を一気飲みしてしまう高齢者もいるのですが、これをやってしまうと水が尿として排出されてしまいますので、水分補給の意味がなくなります。
熱中症を予防するためには、適温の水を少しずつ飲むことが大切になってきますので、高齢者の近くにいる方がしっかりと管理してあげましょう。
高齢者の熱中症を防止するためには、外出するタイミングを考えることが大切です。
夏場は気温が30度を超えることもあり、このような猛暑の中外出をしてしまうと、熱中症のリスクが高くなります。
朝方や夕方になればある程度気温も下がってきますので、買い物や散歩で高齢者と一緒に外出をする際は、気温や天気としっかりと相談しながらタイミングを見極めていきましょう。
ただ、夏場は朝方や夕方であっても他の季節と比べると気温が高いため、
などの工夫をすることが大切です。
冒頭でも解説したように、高齢者は暑さを感じる機能が低下しています。
実際に、真夏日でもエアコンをつけていなかったり、長そでを着ている方もたくさんいます。
ただ、暑さを感じにくいというだけで、体は暑さによるダメージを受けていますので、熱中症になりやすいです。
とはいえ、高齢者はそもそも「暑い」と感じていませんので、自らクーラーをつけたり、服で体温調節をしたりということが難しくなるケースもあります。
そのため、一緒に生活をしている家族や介護者が室温の管理をしてあげるようにしましょう。
高齢者の熱中症を防止するためには、お風呂の温度に気を配ることも大切です。
お湯の温度が高すぎると、汗によって水分量が低下してしまいます。
このようなトラブルを防ぐためにも、お風呂の温度は40度以下に設定し、長湯をさせないようにしてください。
ただ、40度前後の温度だったとしても、お風呂に入ると汗が出ますので、お風呂上りの水分補給も忘れないようにしましょう。
では次に、熱中症が疑われる高齢者への対処法について詳しく解説していきます。
高齢者が熱中症になってしまった場合は、エアコンが効いている涼しい部屋に移動させ、横になってもらった上で体を冷やしていきます。
体を冷やすためには汗を蒸発させる必要がありますので、洋服のボタンをはずし、風通しが良い状態を作ってください。
ここまでの準備が整ったら、うちわであおいだり、わきや足の付け根、首の後ろなどを保冷剤で冷やしましょう。
熱中症の症状を緩和するためには、水分補給が欠かせません。
水道水でももちろん良いのですが、
などもおすすめです。
先ほども解説したように、冷たい水を一気に飲ませてしまうと尿として排出される可能性が高くなりますので、適温の水を少しずつ飲ませてあげるようにしましょう。
高齢者は若者に比べると熱中症になりやすく、尚且つ急変する可能性も高いです。
軽度の熱中症であれば、正しい方法で対処することによって症状を緩和できますが、中度以上の症状が出た時は、家族や介護者ではどうすることもできなくなってしまうケースがあります。
無理に自分たちで何とかしようとすると、急変したり、合併症が起こってしまったりすることがありますので、
・自分で水分補給ができない
・呼びかけても応答がない
という場合は、速やかに救急車を呼びましょう。
「救急車を呼ぶべきかどうかわからない」
という場合は、#7119(救急安心センター)に電話をして症状を伝え、救急車を呼ぶべきなのかどうかを判断してもらってください。
高齢者は暑さを感じにくかったり、のどの渇きを感じにくかったりしますので、どうしても自分で熱中症対策をするのが難しくなります。
もっと言えば、高齢者の熱中症を予防するためには、
の協力が必要不可欠なのです。
この記事を見ている方の中には、
「家族だけでなく、全ての高齢者の熱中症リスクを下げたい」
そう考えている方もいるでしょう。
そのような方は、訪問介護業界への転職を強くおすすめします。
登録ヘルパーは、自分一人で生活ができない高齢者の自宅に出向き、一対一でサポートを提供しますので、高齢者を近くで支えられるようになります。
また、「登録ヘルパー」という独自の働き方は、ワークライフバランスを重視している方にも最適の働き方と言えるのです。
登録ヘルパーについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、興味がある方は是非チェックしてみてください。
岡山で登録ヘルパーの給料はどれくらい?収入アップのコツってある?
高齢者は若者に比べると熱中症になりやすいです。
また、熱中症が重症化したり、合併症を引き起こしたりする可能性も高いため、家族や介護者がしっかりとサポートをしてあげることが大切です。
身近に高齢者がいる方や、介護職に興味を持っている方は、今回紹介したことを参考にしながら、正しい方法で高齢者の熱中症対策を行っていきましょう。
万が一高齢者が熱中症になってしまった場合は、
「大丈夫だろう」
「時間が経てば回復するだろう」
という安易な考えを捨て、できるだけ早く病院に連れていくことをおすすめします。